標準プロンプトで物足りない方へ:Copilotの“抜け”を塞ぐ網羅要約テンプレ

ビジネス

標準プロンプトで物足りない方へ:Copilotの“抜け”を塞ぐ網羅要約テンプレ(タイムスタンプ非表示・制御ノブ付き)

結論(先に答えを言うと)

Copilot標準の議事録プロンプトは“速く・読みやすく”は得意ですが、細部が落ちやすい
抜けを塞ぐには、以下のポイントを押さえた網羅版テンプレを使うのが最適解です。

  • MAP→REDUCE構成で「決定・アクション・論点・根拠・懸念・依存」を抜けなく拾う
  • タイムスタンプは内部管理のみ/出力には絶対に出さない
  • 制御ノブで厳密版・迅速版など切替可能
  • 完成した網羅版をさらに二次要約すれば、1画面で読めるコンパクト版も作れる

1. なぜ「網羅」が必要なのか

標準プロンプトでは見落としがちな情報が多くあります。

  • 少数意見・反対論点が消える
  • 条件付き合意・前提条件が曖昧になる
  • 依存関係や外部ブロッカーが見えない
  • アクションのSMART(担当・期限・完了条件・依存)が揃わない
  • 根拠が弱く、後から検証できない

つまり、「決定は残るけど決定の背景・条件・リスクが抜ける」──これが最大の課題です。


2. 解決策の全体像(設計思想)

  • MAP→REDUCE構成で分割要約→統合
  • 制御ノブで出力の粒度や厳密度を可変
  • 推測禁止を徹底し、根拠は短文引用のみ
  • PIIや機微情報は伏せ字化
  • 出力は「議事録(網羅)」「要約(読みやすさ)」「バックログ(表)」の3形態

3. 使い方(9ステップの流れ)

以下の手順を順番に実行すれば、安定して「抜けのない議事録」が得られます。

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  1. コピペ:付録Aのテンプレをそのまま貼る
  2. 設定エコー:会議名・目的・読者・制御ノブを宣言
  3. チャンク化:長尺は章ごとに分割(10〜20%重複)
  4. MAP:各チャンクから6分類で抽出
  5. 優先抽出:トークン逼迫時は「決定→アクション」優先
  6. REDUCE:重複統合・未決明示・SMART補完
  7. 整形:議事録/要約/バックログを出力
  8. 検査:品質チェックで抜けや矛盾を確認
  9. 付記:前提・依存・リスク・宿題を明記

4. ビフォー/アフター(ダミー例)

Before(標準プロンプト)

  • 新機能Xを来期に。詳細は次回。担当アサイン。

After(網羅版テンプレ)

  • 決定:段階ローンチ(国内→海外)を採用
  • 前提:[外部監査]の指摘を反映しログ保持方針を更新
  • 懸念:性能試験の再現性に差→閾値合意が必要
  • 依存:[SaaS-△] APIスロット拡張が条件
  • アクション:[担当A] が改善案を文書化(受入条件つき)、[期限]までに提出
  • 根拠:短文引用を添付(時間表記なし)

5. 品質を担保するチェックリスト

網羅版を回した後は、以下を確認してください。

  • 決定/未決が分離されているか
  • アクションに担当・期限・完了条件・依存が揃っているか
  • 反対意見・懸念・前提が明示されているか
  • 依存関係や外部ブロッカーが明示されているか
  • 根拠の短文引用があり、タイムスタンプは含まれていないか
  • PII/社名が伏せ字化されているか
  • 重複統合や用語正規化が済んでいるか
  • 議事録/要約/バックログの3形態が揃っているか

6. “コンパクト版”を作る方法

網羅版を出力したら、すぐにこう指示してください。

「直前の網羅版を、実務要点3〜5点+アクション表だけに圧縮。推測は不可。時間表記は出力しない。」

これでコンパクト版が手に入ります。
つまり、網羅→圧縮の二段運用で「抜けない+読みやすい」の両立が可能になります。


7. まとめ

  • 標準プロンプトで「速さと可読性」を得たら、次は網羅版テンプレで「抜けない記録」へ
  • MAP→REDUCE+制御ノブ+タイムスタンプ非表示が肝
  • 最後に二次要約で“コンパクト版”を作り、日常運用に耐える

付録A:網羅版テンプレート

会議トランスクリプト要約プロンプト(網羅版・タイムスタンプ非表示/制御ノブ付き)

0) 目的

要点でなく網羅性を最優先し、会議の【決定/アクション/論点/根拠/懸念/依存】を推測なしで抽出・構造化する。タイムスタンプは内部管理のみで、出力には一切含めない。

1) ガードレール

  • 出力禁止:時刻・タイムスタンプ・録音リンク・自動ID
  • 情報源限定:提供トランスクリプトと指定メタ情報のみ
  • 引用方針:根拠は短文引用(数値の時間表記は禁止)
  • 内部ラベルは出力禁止
  • PII/機微:[伏せ字]に置換
  • 矛盾は両論併記し「未解決」と明示

2) 制御ノブ(既定)

coverage_level=max / chunk_size=medium / chunk_overlap=small /
priority=[“決定”,”アクション”,”根拠”,”論点”,”懸念”,”依存”] /
evidence_mode=quotes / action_strictness=strict /
risk_emphasis=high / pii_mask=on / style_profile=neutral /
output_formats=[“議事録”,”要約”,”バックログ”]

3) 入力

context / participants / transcript / attachments(任意)

4) 処理フロー(MAP→REDUCE)

  • MAP:6分類抽出
  • 優先抽出:決定・アクションを優先
  • REDUCE:重複統合・未決明示・SMART補完

5) 出力

  • 議事録(網羅)
  • 要約(3〜5点)
  • バックログ(表)

6) 検査

  • PII伏せ字化
  • 決定/未決/依存の網羅
  • SMART不足は「要補記」
  • タイムスタンプ禁止を確認

7) 実行

上記仕様で処理。出力には一切のタイムスタンプを含めない

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